2023/8/13より活動休止

おもしろい話が書きたい!参考図書5選!

こんにちは、業界のすみっこでコソコソを活動しております。
ひよっこ漫画家の白森です。

漫画や小説など、物語をつくる活動を始めたばかりのみなさん。
こんなことで困ったこと、ありませんか?

「どうすれば面白い話がかけるの?」
「シナリオとか物語構成とかわからん!!」

わからんよね〜〜〜。
構成とかよくわからんよね〜〜〜。

ですが、残念ながら「基礎」を知らずに面白い話がかけるのは天才だけです。

素人が宮崎駿監督の真似をしておもむろにイメージスケッチを描いても、面白い話は舞い降りてきません。

とは言ってもどう勉強すればいいのかわからん!という方に向けて、今回は私が物語構成を勉強する中で読んだ、オススメの本を紹介していこうと思います!

私自身が売れている漫画家ではないため説得力がなくて申し訳ないですが、少なくとも「王道」はしっかり勉強できるラインナップだと思います。

そして一応最初に申し上げておきますが、本を読み、知識をつけるだけでは物語を作る能力は向上しません!座学ののちに実践を重ねてはじめてできるようになるものです。本だけ読んで満足しちゃだめだぞ!!

もくじ

(STEP1)基礎編

まず初めに、「一冊読めばとりあえず物語の基礎が全て把握できる」タイプの本を1冊だけ紹介いたします。厳選!

物語の法則

迷ったらこれを読め!!
本書は全27章で構成されており、前半の14章ではいわゆる「貴種流離譚」のような王道のストーリー構成の話と、キャラクター分類の話が展開されています。
(貴種流離譚とは:普遍的に人間が好んできた、古典・神話に共通する「物語の王道」構成。貴種流離譚に関する書籍についてはSTEP3にて数冊ほど紹介します。)

キャラクター分類に関しては、テオプラストスの「人さまざま」を取り上げて説明がなされていきます。ユング心理学をわかっていた方がよさげなので、興味がある方は後ほど紹介する「昔話の深層」もぜひ読んでみて!!

そして後半15章〜が本書の真髄とも言って良い「環境的事実」のターンです!ストーリーを掘り下げる考え方やヒントが書かれおります。

プロットの勉強をしたことがない方でも、この本からいきなり読んでしまって大丈夫だと思います。かなり長くて全部読むのは大変だと思うけど!
貴種流離譚についてかじっている人であれば、心が折れる前に後半:15章から読み始めてしまっても良いかも。

(STEP2)応用編

次にご紹介するのは「シナリオ知識の土台がある状態」で読むと理解しやすい・参考になりそうな本です。

シナリオの基礎技術

こちらの本も「物語の法則」同様、基礎的なシナリオの技術について書かれているものです。(タイトルまんま)
ですが細やかな実践的技術が盛りだくさんな故、まったく構成について勉強したことがない状態で読むと、ちょっとむずかしいかも…?
私は連載を始める前にこれを読みましたが、本当に本書の内容を「理解」できるようになったのは、連載終了後:すなわちある程度実践を重ねたあとでした。
とはいえ、起承転結の話からシーン・キャラクターの書き方まで、各項目ごとに具体的なテクニックが書かれているので持っていて損はしないかと思います。

荒木飛呂彦の漫画術

みんな大好き荒木飛呂彦先生だぞ!漫画家志望、とくに少年漫画方面を志している方に特におすすめ。
売れている作家さんのスタイルを知れる機会はなかなかないので、貴重な一冊です。荒木先生は超売れっ子の天才ですが、感覚派ではなく論理的に王道の物語を書く作家さんでもあるので、凡人でも真似できるところはあるかも!(真似できるとは言っていない)
とはいえ、本書に書かれている「技術」は荒木先生が長年研究して編み出したものです。「長年の研究」という蓄積が自分の中にしっかりあるからこそ、最終的に生み出せた「自分なりの技術スタイル」を活用できるのだと思います。
やはり「自分で実践を重ねて、自分のスタイルを作る」ことが大事だと私は思います。荒木先生が体系化した技術を小手先で盗むのではなく、プロの作家さんの漫画に対する考え方や姿勢をみよう、という心構えで読んだ方が良いかもしれません。

(STEP3)参考書編

「この一冊だけではシナリオ・物語を描けるようにはならない」けれど、部分的な知識・技術について掘り下げられてる本たちを最後に紹介します。

マンガ・特撮ヒーローの倫理学―モノ語り帝国「日本」の群像

ウルトラマンやゴジラなど具体的な作品を分析している本。長く愛され続けているマンガ・アニメのお話には古典の要素(いわゆる貴種流離譚)が盛り込まれているよねというお話が展開されています。
非常にわかりやすいのでサクサク読めます。物語を書く人間でなくてもわかるように書かれている本なので、貴種流離譚についていまいちピンときていない人は一度読んでみると良いかも!

昔話の深層 ユング心理学とグリム童話

こちらも貴種流離譚を含む「王道の物語構成」分析に特化した本。ものすごく詳細に、グリム童話のストーリー構造をユング心理学に基づいて紐解いていく内容となっております。「童話には、普遍的に人が持つ心象が反映されている」ということが書かれています。
しかし、私にとってはかなり難解な本でした…!一回読んだだけでは全てを理解することはできませんでした…。きっとユング心理学の予備知識があれば読みやすいのだと思います。上級者向けかもしれませんが、内容が濃いのでご紹介。王道のストーリー構成パターンを極めたい!と言う方にオススメできる参考図書です。

さいごに

厳選した5冊の参考図書を紹介してまいりました。
ですがやっぱり「自分にとってわかりやすい本」というのは人それぞれだと思うので、可能であればまず図書館に行って色々試し読みするのをお勧めします。無銭で本が読める図書館はいいぞ。

最後に。
私は人に教える立場になれるほどえらい作家ではないですがこれだけはもう一回言うぞ!!!本を読むだけで満足するな!!!
計画⇨実際に作品を作る⇨反省点の洗い出し⇨改善…といういわゆるPDCAサイクルを創作でもまわしていこう!!

おもしろい作品が描ける作家になりたいね…
私もまだまだ勉強中です。一緒にがんばりましょう!!

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この記事を書いた人

白森 さわ まんが家・イラストレーター

絵や文章をかいたり、歌ったりしながら生きています。

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